ごあいさつ

 急性胆管炎・胆嚢炎の国際的診療指針であるTOKYO Guidelines for the management of acute cholangitis and cholecystitisは、2006年4月の急性胆管炎胆?炎診療ガイドライン国際コンセンサス会議を経て、2007年2月にJ Hepatobiliary Pancreat Surg2007に報告されました。
 このガイドライン作成研究の過程で、急性胆管炎の診断に関するエビデンスが少ないことが判明しました。有名なシャルコの三徴(Charcot’s triad)ですら50−60%の正診率であると報告されています。この理由から、TOKYO Guidelinesの急性胆管炎の診断基準と重症度判定基準制定にあたっては、これまでのエビデンス(Charcot’s triad)を基本にしつつも、国際コンセンサス会議によって策定されました。

 このような背景を踏まえ、本研究は急性胆管炎の診断基準と重症度判定基準を日本および海外の臨床側から検証し、新しいし基準を作成することを目的としています。
 この研究は、2008、2009年の厚生労働科学研究として行われており、また、日本腹部救急医学会、日本肝胆膵外科学会、日本胆道学会、日本外科感染症学会の研究支援を受け、2009年にUMIN(University hospital Medical information network)登録された前向き臨床研究です。

 研究の成果を、最新のエビデンスとして世界に向けて発信し、国際的な新基準作成を目指したいと思います。歴史的作業に向けてのご指導とご協力を、お願いいたします。